プログラム

2024年7月月曜日

こんにちは。

和歌山県紀の川市貴志川町にある放課後等デイサービスK-if(けいふ)で児童指導員をしている プレリーダー です。

7月の月曜日は『水平を作る』ことをしています。

皆さんは水平という言葉をご存じでしょうか?

一般的な仕事や生活をしている状況ではなかなか聞き馴染みのない言葉ではないでしょうか?

簡潔に答えると『平らな状態』のことを指します。

建築関係の仕事をされている方は、常に聞き意識していることだと思います。私たちが暮らしていけるのは、傾きなく平らな状態を作ってくれている建築関係の方々がいるからです。

日本における建築技術では、水平の環境で生活することは『当たり前』になっていますが、水平を作ることは『容易』ではありません。そのことを7月に利用していた子どもたちは、体感することになりました。

クリア条件

段ボールで支柱を作り、支柱の上にお膳を置き、お膳の上に水平器を置いた際に、3つある測定値の内2つ以上が中央に収まる状況を作る

作業内容としては、段ボールで支柱を作ることになりますが、この段ボールの支柱を自立させることがまず困難なレベルです。

難しい言葉を使うと『展開図の理解』『製図技術』『正確な裁断』が必要となってきますが、子どもたちに伝える際の言葉としては、『サイコロを開いた形』『さしを使って真っすぐ線を引く』『カッターで真っすぐ切る』になります。

展開図に関しては、遊びの延長で作ることが出来ますが、製図に関しては、さしと鉛筆による左右非対称な動きを行う必要があり、低学年には難しい動作になります。次にカッターで真っすぐ切ることです。これは、『刃物』で『切る』動きです。カッターから伝わる段ボールを切る感覚を指先で感じ、力を掛ける方向や力加減をしながら切っていきますが、この微調整が出来ていないと力任せに切ろうとしてしまい、コントロールが出来ていない状況になってしまったことで、予期していないところまで切ってしまい、最悪自身の身体を切ってしまう恐れが出てきます。

全ての工程に精密な作業を必要としており『裁断』の段階で切り過ぎてしまうと最初からやり直しとなり、裁断後にバランスが取れていないと、最初からやり直しになり、今回は『やり直し』になる確率が高く、『やり直し』は、子どもたちにとっては心理的なストレスになりやすい内容です。

その為、心が折れやすい児童には深刻な気力低下を招きました。ですが、『やり直し』や『失敗』は、いつかの時点で必ず経験します。経験せずに大人になるよりは子どもの頃に経験し、『挫折から何を学び、次にどう活かすか』を考えられるようになっていくことの方が、必要であると考えているので、今回のプログラムは、技術的な練習以外にもメンタル的な練習にもなっていい練習になったと思います。

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