新年明けましておめでとうございます。
本年もこのHPをご覧になられている皆様にとって幸多き一年になりますよう願っております。
金曜日の担当やかんリーダーです。
当月のテーマは『天ぷら』です。
今回は利用回数毎に天ぷらにする食材を変更しながら、天ぷらを揚げていってもらい、試食してもらっています。
当事業所では、食材の好き嫌いでの増減は基本的に認めておりません。好きな物は増やし、嫌いな物は減らす。なんてことをしていたら、栄養素の偏りや偏食に拍車がかかるという考えからです。もし『偏食の何が悪い?』という考えの方であれば、以降の文章を読んでも気分を害される可能性があるので、ご了承ください。
まずは『好き嫌いによる偏食』と『アレルギーによる偏食』は、別物であることを私自身理解していますし、そのあたりの分別はつけていることは、過去の記事からもご理解していただけるかと思います。また、嫌いな物を嫌々食べさせることを昨今では、虐待ととらえるケースもあるかと思いますが、私自身はこの『嫌いな物を嫌々ながら食べさせることが虐待』であると判断される根拠がわかりません。極端にいえば、『好きな物のみを食べさせて偏食させていること』も私から言えば、『栄養管理のされていない食事を提供し続けて、健康的な身体を作る為に必要な栄養素の提供をしていない』ことは身体的虐待に該当すると思います。
結局はどんな根拠を持ってどんな言動を取ったのか、相手の尊厳を蔑ろにしていないか?などの相手に対する配慮があったかどうかだと思います。
好き嫌いでの偏食が、極端になっていくと栄養素の偏りもそうですが、嫌いな食材しか手に入らなくなった際に、食事を摂らないという選択肢を容易に選択してしまうことになります。
一日3食食べていて、嫌いな物が出たら食べないという選択をすることが、許されると認識してしまうと、3食の内、1/3で食嫌いな物が出たから食べなかった。これくらいであれば『お腹が空いたな』と感じる程度だと思いますが、嫌いな物が2/3食、3/3食となっていくと体はエネルギー不足になり、空腹を感じなくなっていき、拒食状態になってしまう可能性も出てきます。
食べ物を選択する余裕のある状態であれば、ある程度嫌いな物を省いても大丈夫だと思いますが、食べ物を選択する余裕のない状況であったらどうでしょう?それまで嫌いな物を食べることをしていない状態で無理やりにでも食べないと生命の維持が困難である状況で、嫌いな物を食べることが出来るのでしょうか?
もし『食べ物が溢れている日本でそんな過酷な状況にはならないだろう』と楽観視されているようであれば、勘違いだと苦言を呈しておきます。
日本の食料自給率は、令和5年度のデータで、生産額ベース食料自給率61%、カロリーベース食料自給率は38%となっています。
生産額ベースに関しては、金額的な数字になるので、今回は割愛しますが、問題はカロリーベースの方です。単純に考えて普段の食事の4割程度しか食料を自給することが出来ておらず、6割は輸入に頼っているということです。輸入できない状態になった時、普段の食事の半分以下のカロリー摂取しかできないということです。その中で、さらに嫌いな物を取り除くなんてことになったら、生命の維持は困難になります。私はそんなことにならないように嫌いな物でも日々食べる習慣をつけることの方が必要だと思っています。